2010年09月07日

トヨタ自動車株式会社
アイシン精機株式会社

トヨタ、アイシン、「固体酸化物形燃料電池実証研究事業」に
家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの2010年度モデルを提供

 トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)ならびにアイシン精機株式会社(以下、アイシン)は、「システム供給者(製造事業者)」として、「家庭用固体酸化物形燃料電池(以下、家庭用SOFC*1)コージェネレーションシステム」の2010年度モデルを、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO*2)の「固体酸化物形燃料電池実証研究事業*3」に約60台程度を提供する予定である。
 本システムは、大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)・京セラ株式会社・トヨタ・アイシン4社で共同開発しており、実証研究事業については、北海道ガス株式会社、東京ガス株式会社、東邦ガス株式会社、大阪ガス、西部ガス株式会社の5社が参画している。

 2009年度の同実証研究事業にもトヨタ・アイシンは機器を提供し、SOFCが省エネ性に優れる機器であることを確認した。2010年度モデルでは、これまでの同実証研究事業で判明した技術開発課題を克服することにより、より一層の省エネ性・CO
2削減が図れるよう、発電ユニットの低出力時の負荷効率(以下、部分負荷効率)の向上ならびに貯湯タンクの容量を増やし、排熱の有効利用度を 上げた。
 また、商品性を向上させるため、耐久性・メインテナンス関連の改善を加えた。

 新モデルを実証研究事業に提供することにより、家庭用SOFCコージェネレーションシステムの開発を一層加速し、2010年代前半の開発完了を目指す。
  *1 SOFC : Solid Oxide Fuel Cell (固体酸化物形燃料電池)の略。
電解質にセラミックスを用いた燃料電池。酸素が酸素イオンとなって電解質を通過することで水素や一酸化炭素と化学反応し電気を発生。一酸化炭素も利用できる点が大きな特徴
  *2 NEDO : New Energy and Industrial Technology Development Organizationの略
  *3 2007年度から実施。家庭用SOFCコージェネレーションシステムを一般家庭に設置し、実負荷環境下での実証実験データを取得することにより、今後の技術開発における課題を抽出することを目的として実施
 今回の実証試験に提供している家庭用SOFCコージェネレーションシステムの概要は、以下のとおり。
【2010年度「固体酸化物形燃料電池実証研究事業」提供機 概要】
<特徴>
  セルスタック*1・燃料改質器などで構成されるモジュールの断熱性向上による部分負荷効率の向上および貯湯タンクの容量増加による排熱利用拡大
    モジュールを覆う断熱材を増やし、放熱ロスを低減するとともに、モジュール内の温度分布を最適化。その結果、部分負荷効率が向上し、定格よりも低い発電量の場合、従来型(2009年度モデル)以上の発電効率を実現。
    貯湯タンクの奥行寸法を10mm増やし、貯湯タンク容量を従来型の70Lから90Lにすることで、排熱を効果的に利用。これにより、電力需要の大小に拘わらず、高い発電効率の維持が可能となり、ランニングコスト・CO2排出量を削減できる。
  集電材・モジュールの改良による耐久性向上
    セルスタックのセル間に配置する金属製集電材のコーティング材料を変更し、モジュール内の温度分布を最適化することにより、耐久性を向上。
  脱硫機のノーメンテナンス化を実現
    都市ガスの付臭剤中の硫黄化合物を除去する脱硫剤を増量し、脱硫機の10年間のノーメンテナンス化を実現。また、脱硫剤の温度管理により、ガス中に含まれる水分による劣化を防止。
  バックアップボイラーを潜熱回収型に変更することにより、省エネルギー性を向上
    排ガス中の水分凝縮熱量(潜熱)を回収していない従来型のバックアップボイラーから、潜熱回収型に変更することにより、省エネルギー性を向上。
<仕様>
・発電ユニット
サイズ
高さ×幅×奥行
935mm×600mm×335mm
重量
90kg
燃料
都市ガス13A
定格発電出力
700W
定格発電効率
LHV*2 (HHV*3)
45%以上(41%以上)
定格排熱回収効率
LHV (HHV)
40%以上(36%以上)

・排熱利用給湯暖房ユニット
 
 
戸建住宅仕様
サイズ
高さ×幅×奥行
1,760mm×740mm×310mm
重量
94kg
貯湯タンク容量
90L
貯湯温度
約70℃
*1 燃料極、電解質、空気極からなる単一の燃料電池(発電体)のこと。セルの集合体がスタック。単一のセルは起電力が1V以下、出力も数W程度であるため直列に接続してスタックとし、電圧や出力を高める
*2 LHV : Lower Heating Value(低位発熱基準)の略。
燃料ガスを完全燃焼させたときに生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めない熱量
*3 HHV : Higher Heating Value(高位発熱基準)の略。
燃料ガスを完全燃焼させたときに生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めた熱量

以上